合格実績の掲載しないの?

先日、生徒さんのひとりからこんな質問をされました。

「先生、この塾って合格実績って発表しないんですか?」

 

この時期になると、塾のホームページや広告、看板に

「合格実績」が大きく掲載されているのをよく目にしますよね。

ただ、当教室ではホームページにも教室内にも、

いわゆる合格実績は、初めからずっと掲載していません。

 

理由はいくつかありますが、

まず一つは、受験の結果は基本的に本人次第だと思っているからです。

誰かの合格実績を見たからといって、

それがそのまま自分の結果につながるわけではありません。

もちろん塾として全力でサポートをしますが、

最終的に結果を作るのはやはり本人の努力だと思っています。

 

もう一つは、合格者数という数字そのものが、

実はそれほど単純なものではないということもあります。

塾業界ではよく知られていることですが、

合格者数のカウントにはさまざまなカラクリがあり、

数字はインパクトを与えるけれど、それだけでは実態が見えにくいこともあります。

もちろん、すべての塾がそうだというわけではありませんが、

数字のインパクトだけで判断されてしまうことには

少し違和感を感じています。

 

また、学校名だけを並べてしまうと、

どうしてもそこに序列のような見方が生まれてしまいます。

学力を仮に「レベル10」がMAXだとしたら、

8を10にする学習もあれば、

5を7に、極端に言えば、0を2にする学習だってあります。

当教室では、そのどれも同じように大切な成長だと思っています。

学校名だけを並べてしまうと、

そうした過程にあった努力や成長は

なかなか伝わらなくなってしまうように感じるのです。

 

実は、私自身の高校受験のときの経験も、

少し影響しているかもしれません。

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当時通っていた塾では、

合格者の実績や体験談をチラシに掲載していました。

私は第一志望には届かなかったのですが、

そのとき先生に

「お前は載せなくていいよな」

と言われたことがあります。

もちろん、落ち込んでいるだろうという

先生なりの配慮だったのだと思います。

その塾での私のクラスは、都内私立の上位校を目指して

次々と合格していくような環境でした。

なので当時の自分としては

「ああ、まあ掲載される側ではないんだな」

と、なんとなく思った記憶があります。

性格上、そして受験の結果にも納得していたので、

特に嫌な思いをしたわけではありません。

ただそのときに、

「合格実績って、誰にとってどういう意味を持つんだろう」

と、少し考えたのを覚えています。

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もちろん今年も、国私立大学、公私立高校、それぞれの目標において、第一志望を勝ち取るという素晴らしい結果を知らせてくれた生徒さんがいます。

中にはいわゆる上位校に合格した生徒もいました。

ただ、それだけを取り上げて

「これが教室の成果です」と言うのも、

少し違う気がしています。

一方で全てを掲示するという考えもあるかもしれませんが、

少なくとも、進学実績の掲示は、受け取る側のイメージによって様々な意味を持つものだと思うので、

そこで選んでいただくことにも違和感を感じています。

 

当教室は、地元で小さな教室として続けてきました。

だからこそ、一人ひとりとのご縁や成長を大切にしながら、

これからも生徒たちの学びを支えていけたらと思っています。

 

というわけで、決して忘れているわけではなく、

いろいろ考えた結果、当教室では合格実績を掲示しておりません。